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共通テスト「情報」の試作問題や入試対策を解説

公開日:2023.10.20/更新日:2023.10.30

※本記事は2023年8月時点の情報です。

「共通テストの情報ってどのような問題がでるの?」
「情報への対策は、何をすればいいのだろう」

2025年の大学入学共通テストから「情報」が加わります。

共通テストの「情報」に関する情報自体が少ないことから、不安に思われている方も多いのではないでしょうか。

「情報」は、事前に準備し、適切な対策をすれば点数がとれる科目です。

さらに、2022年に公表された、大学入試センターの試作問題によって、試験の傾向が明らかになりました。

高等学校での情報Ⅰの学習指導要領(教科書の内容)には、大きく4つに分けられますが、その中から満遍なく出題されます。

▼情報 4つの領域に対する出題傾向と試作問題での配点合計

高等学校での情報Ⅰの学習指導要領

(1)情報社会の問題解決
(2)コミュニケーションと情報デザイン
(3)コンピュータとプログラミング
(4)情報通信ネットワークとデータの活用

※高等学校で情報Ⅰを学習していない旧課程履修者に対しては、経過措置科目として「旧情報(仮)」が出題されます。

情報の試作問題では、大問題が4問あり、その中の小問題は合計19問あります。知識問題や常識的な問題も多く、グラフの読み取りや計算問題もありますが、特に難解な問題はありません。

とはいえ、単なる知識一辺倒だけでは高得点を狙うことは出来ないでしょう。

試作問題の小問題の配点を合計すると、「プログラミング」に関する点数が大きいことが分かります。プログラミングに対する比重が大きいので、苦手な人にとっては不利だと感じるかもしれませんね。

しかし、現時点では、すべての共通テストでマークシート方式が取られており、実際にプログラミングの実技をすることはありません。高校で学習したプログラミングの知識があれば、十分に解ける問題です。

ただし、問題に対して制限時間が少ないので、特に対策をしないで受験すると、落としてしまう可能性もあります。また、数学や英語など他の主要科目の勉強もあるため、出来るだけ早いうちからプログラミングに取り組まれることをおすすめします。

高得点を狙うには、出題の傾向を知り、適切な対策をすることが必要です。

そこで、この記事では次のようなことを解説します。

この記事のポイント
・【2025年】共通テストの新教科「情報」で押さえる基礎知識を6つ紹介
・情報の試験内容を徹底解説
・情報の試作問題を紹介
・苦手意識を持つ3つの原因を解説
・高得点を狙うために行うべき対策を3つ紹介

この記事を読めば、共通テストの「情報」に関して理解が深まるようになります。また、情報の試験内容をはじめ、受験対策や高得点を狙うために何をするべきかが分かります。

【2025年】共通テストの新教科「情報」で押さえる基礎知識6つ

共通テストの「情報」について、押さえておくべき基礎知識をご紹介しましょう。

共通テストは、すべての教科において記述問題はなく、全問がマークシート方式です。

情報ではプログラミングの実技をテストするという案も検討されましたが、今の段階では実施されることはありません。

共通テストにおける「情報」の難易度は「標準」ですが、文章読解力や数学のスキルも求められるため、暗記だけではなく、思考力や考察力も必要になるでしょう。

この章では、共通テスト情報を攻略するために、押さえておきたい基礎知識6つをくわしく解説していきます。

▼共通テスト「情報」の6つの基礎知識

・出題範囲は高校1年生で学ぶ「情報Ⅰ」のみ
・国立大学では原則必須
・公立大学や私立大学では一部の大学のみ実施
・配点は100点・試験時間は60分
・既卒生は「旧情報(仮)」を選択可能
・プログラミング言語はセンター試験用オリジナル言語「DNCL」

出題範囲は高校1年生で学ぶ「情報Ⅰ」のみ

試験範囲は、高校の必修教科「情報Ⅰ」の4つの領域から、満遍なく出題されます。

(1)情報社会の問題解決
(2)コミュニケーションと情報デザイン
(3)コンピュータとプログラミング
(4)情報通信ネットワークとデータの活用

情報Ⅰで学習する4つの領域
参考:文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)

情報、プログラミングの知識はもちろん、様々な情報を適切に分析・活用するための知識やスキル、情報リテラシー、さらに数学的な思考も問われます。

全問マークシート方式で出題されるため、実際にプログラミングスキルが問われることはありません。

基本的な問題が中心なので、高校で学習した内容をしっかりと押さえ、適切な対策をすれば、得点が取れるでしょう。

また、旧課程履修者向けには、「旧情報(仮)」として、旧課程の「社会と情報」「情報の科学」の内容から出題される予定※です。
(※2023年8月時点での情報です。詳しいことは、後述の「1-5. 「旧課程履修者は「旧情報(仮)」を選択可能」をご覧ください。)

国立大学では原則必須

情報の取り扱いは、国立大学では「原則必須」となっています。
国立大学協会は、2025年の大学入学共通テストから国立大学の一般選抜において、これまでの「5教科7科目」に「情報」を加えた「6教科8科目」を実施するとしました。
(出典:国立大学協会「2024年度以降の国立大学の入学者選抜制度 ―国立大学協会の基本方針」)

すでに、国立大学の多くで「数理・データサイエンス・AI教育」が、理系・文系問わず教養科目として履修されています。

ただし、全国立大学のうち、3校が「受験必須科目」としながら、得点は成績に含めない方針をとっています。

「現役生と浪人生の間にどのような差が生まれるか不明瞭なこともあり、導入初年次は慎重に扱うべきだと判断した」という国立大学もあり、受験する大学の方針を確認することは必須といえるでしょう。

配点しない大学
<配点しないと公表している大学>
・北海道大学
・徳島大学
・香川大学

※2023年8月時点での情報です。

公立大学や私立大学では一部の大学のみ実施

公立大学や私立大学では、「情報」を採用するかどうかは大学の方針に委ねられています。

実施するかどうかは、各大学のホームページでチェックできるので、志望大学の入試情報をこまめにチェックしておきましょう。

配点100点・試験時間60分

共通テスト情報Ⅰ試験方式

問題数大問4題・小問題計19問
時間60分
回答方式マークシート方式
難易度標準

試作問題では大きく4題が出題され、小問題は全部で19問、解答はマークシート形式です。

試験時間は60分なので、単純に1問3分程度で解く必要があるでしょう。

ただし、問題文が長い問題も多く、計算問題などにも時間が取られるので、前半の知識問題には素早く解答する必要があります。

試作問題の難易度はさほど高くありませんが、長文解読や数学的な考察が必要な問題が多いため、時間との戦いになることは間違いありません。

旧課程履修者は「旧情報(仮)」を選択可能

浪人生や、高等学校で情報Ⅰを学習していない旧課程履修者に対しては、経過措置科目として「旧情報(仮)」を選択可能です。

情報を受験した人との間で、「得点調整」が行われます。

得点調整は通常、受験生が1万人未満の場合には対象外となりますが、2025年の情報に関しては、受験生が少なくても実施されます。

なお、旧課程履修者は情報の教科書が「社会と情報」「情報の科学」に分かれているため、一部の問題を選択できるようになっています。

出典:大学入試センター 試作問題「旧情報(仮)」

プログラミング言語はセンター試験用オリジナル言語「DNCL」

共通テスト「情報」で出題されるプログラミング問題には、オリジナルの日本語対応言語DNCL(共通テスト手順記述標準言語)が利用されます。

高校の情報Ⅰで学習するプログラミング用語はPythonやJavaScriptなど、教科書によって違いがあります。

そのため、特定のプログラミング言語に依存しないオリジナルの形式が利用されるというわけです。

独立行政法人大学入試センターの「 共通テスト手順記述標準言語 (DNCL) の説明 」をよく読んで、事前学習しておくと安心です。

情報の共通テストでの試験内容は大きく分けて4つ

共通テストの情報では、学習指導要領に応じて4つの領域から満遍なく出題されます。

しかし、試作問題で出題された小問題への配点を合計していくと、やはりプログラミングに重きをおきていることが分かります。

それぞれどのような内容が出題されるのか、試作問題から見ていきましょう。

情報社会の問題解決〈基本的に知識問題〉

高校の「情報Ⅰ」で学習した知識やスキルが正しく身についているかどうかが問われます。

穴埋め問題もありますが、単なる知識だけではなく、情報に関する法規やマナー、モラル、責任などについて、広く身につけておく必要があるでしょう。

基本的には知識が問われる問題が多く、教科書の内容を体系的に覚えておけば大丈夫です。

コミュニケーションと情報デザイン〈基本的に知識問題〉

情報のデジタル化や仕組み、デジタルデータの表し方が問われます。

試作問題では、確率のシミュレーションや、二次元コードの仕組みの理解と特徴についての問題が出題されました。

こちらも基本的には知識問題です。教科書の内容と身近な情報技術を結びつけて考察しておくと、理解しやすいでしょう。

コンピューターとプログラミング〈プログラミングスキル〉

コンピューターとプログラミングに関しては、46点と配点が一番多いことからも、弱点がないようにしておきたいところです。

現時点では、試験で実際にプログラミングを行うことはありません。しかし、普段からプログラミングを練習し、擬似問題を問いていく学習が必要となるでしょう。

プログラミングの問題には、オリジナルの日本語対応言語DNCL(共通テスト手順記述標準言語)が利用されます。

詳細は、独立行政法人大学入試センターの「共通テスト手順記述標準言語 (DNCL) の説明 」を参考にしてください。

2-4.情報通信ネットワークとデータの活用〈基本的に知識問題〉

IPアドレスやパケットなど、日常でよく使われるネットワーク技術に関する問題がメインになります。

そのほか、アクセスログを分析するような情報技術に関する知識も必要となります。

知識問題が主ですが、サーバーのアクセスログを分析するような問題も出題されます。

暗記だけではなく、広い思考力も問われることになります。

大学入試センターによる共通テスト「情報」の試作問題を紹介!

実際に情報の試作問題を見ていきましょう。

情報は、2025年から実施されるので過去問題はありませんが、2022年に大学入試センターによる試作問題が発表されました。

2021年に公開されたサンプル問題と比較すると、高校で学習する「情報Ⅰ」から満遍なく出題されています。

その他の特徴として、次のようなものがあります。

・問題が長文である
・答えとして選択する文章の情報量が多い
・考察が必要な設問が多い
・知識だけではなく思考力が必要とされる問題が多い
・数Ⅰや数Aなどの計算力も必要とされる

共通テストは時間との戦いです。問題をいかに効率よく、正確に解くかが高得点への鍵となります。

試作問題の試験内容と配点・難易度・教科書への対応

試験内容 配点 難易度 教科書
範囲※
第1問
20点
問1 ネット利用時のモラルや注意点
問題解決への判断
4 (1)
問2 情報通信データの誤り訂正の仕組み
パリティビット、素数変換の理解
6 (4)
問3 論理回路の理解
演算処理と真理値表の考察
6 (3)
問4 情報の整理 4 (2)
第2問
30点
A 二次元コードについての理解
知的財産権(特許権)
15 (1)
(2)
B 確率モデルのシミュレーション 15 (3)
第3問
25点
基本的なプログラミング
アルゴリズムについての考察
作成した関数の理解
25 (3)
第4問
25点
データの活用に関する基礎知識
箱ひげ図や散布図、回帰直線、残差
25 (4)

※各範囲は高等学校学習指導要要領 情報Ⅰで学習する4つの領域を指す

それぞれの問題の内容について見ていきましょう。

〈第1問〉配点20点・時間目標約10分

第1問には4つの小問があり、新学習指導要領の4領域に関する問題が、まんべんなく出題されています。

出典:大学入試センター 試作問題「情報Ⅰ」

出典:大学入試センター 試作問題「情報Ⅰ」

全体的に難易度はさほど高くはないので、確実に取っておきたい部分です。

時間が取られる後半のために、10分以内での解答を目指しましょう。

内容としては、文章を読んで正誤を問う問題や、実際に分析や計算が必要となる問題もあります。

特に、問2で出題されるパリティビット問題は、一見難しく感じるかもしれませんが、普段から学習しておけば解ける問題です。

状況を説明する文章や問題文が長いため、情報を関連付けて整理する「リテラシー」が求められます。長文から素早く要点をつかみ、理解する力が必要となるでしょう。

〈第2問〉配点30点・時間目標約10分

第2問は、問題A(小問4題)と問題B(小問3題)で構成されています。

出典:大学入試センター 試作問題「情報Ⅰ」

問題Aは、二次元コードに関する知識や、知的財産権(特許権)についての問題がメインです。

二次元コードが広く普及した理由や特徴に関しては常識的な問題で、学習した内容を思い出せば簡単に解けるでしょう。

しかし、二次元コードの位置検出に関しては、文章を冷静に読み解く必要があり、試作問題の中では「難しい」問題といえます。

出典:大学入試センター 試作問題「情報Ⅰ」

問題Bは、確率モデルのシミュレーションについての問題です。

文化祭の模擬店を想定し、お待たせしないための待ち状況について考察します。

最大待ち人数を表すグラフから傾向を考察したり、客者の数をシミュレーションしたり、対応時間を短くした場合のシミュレーション結果などを考察します。

簡単な問題とはいえませんが、情報Ⅰをしっかりと学習しておけば、解ける問題でしょう。

〈第3問〉 配点25点 目標時間15分

第3問の問2は、プログラミングに関しての問題です。

出典:大学入試センター 試作問題「情報Ⅰ」

支払いを行う際のお釣りを題材として、硬貨の枚数が最小になるプログラミングを作成する過程が問われました。

基本的なプログラミングを数学的に考え、プログラムを完成させるための正しい解答を選択します。

作成した関数の理解や繰り返し、条件分岐など、アルゴリズムの論理的考察も必要となりますが、教科書をよく学習しておけば、さほど難しい問題ではありません。

なお、この問題で使用されるプログラム言語は、受験生が公平になるように、共通テストオリジナルのDNCL(共通テスト手順記述標準言語)が使用されています。

〈第4問〉配点25点 目標時間15分

データの活用と分析に関する基本的な知識と、データやグラフを読み取り、考察する力を問う問題です。

出典:大学入試センター 試作問題「情報Ⅰ」

全体的に文字数が多く、箱ひげ図や散布図、相関や散らばりなどの図表も多くあり、データを読み取るのに時間がかかりやすい問題です。

普段からデータやグラフの問題に慣れておき、どのような形式が出ても対処できるように学習しておきましょう。目標時間は15分です。

お子様が「情報Ⅰ」に苦手意識を持つ原因2つ

情報Ⅰは、教科自体が新しいため、学習の差が生まれにくいと思われがちです。

しかし、数学的要素が高く、独自のプログラミング用語を利用する情報Ⅰは、思わぬところでつまずき、苦手意識を持ちやすい教科でもあります。
苦手意識を持たせないためにも、情報Ⅰの難しい部分を解説しますので、お子様の参考にしてください。

配点が大きい「(3)コンピューターとプログラミング」でつまずいている

試作問題では、100点満点のうち46点が「プログラミング」に関しての配点でした。苦手な人に取っては、大きな壁と感じるでしょう。

とはいえ、プログラミングスキルが低い人は、点数が取れないというわけではありません。

試作問題では、プログラムを組むことよりも、プログラムを読み解き、問題を解決するための手段を組み立てる力が求められます。

つまり、スキルだけではなく、情報Ⅰに対する、総合的なリテラシー対策が大切なのです。

苦手意識を持たないために、普段から簡単なプログラミングに挑戦しておきましょう。

試験についての情報が少なく対策が立てにくい

情報は、2025年の共通テストに初めて採用される教科であるため、「具体的にどこまで学習すればいいのか」不安になるかもしれません。

過去問題や資料がないので、教科書を読み込み、試作問題を解くしかありません。

しかし、共通テストにおける「情報」の難易度は「標準」です。

基本的な問題が多いため、高校2年生の終わりくらいに、教科書を中心とした勉強を始めても遅くはないでしょう。

数学的なスキルや知識が必要なため、1〜2年生の間は数学に力を入れておくと安心です。

共通テスト「情報」で高得点を狙うための対策3つ

これまでお伝えしてきたように、共通テスト「情報」は2025年にはじめて実施されるため、情報はまだ少ないのが現状です。

対策としてできることは限られていますが、その分、高得点を狙うことも可能です。

高得点を狙う具体的な対策として、次で述べる3つが重要になります。

数Ⅰ・数Aを十分に理解しよう

情報で高得点を狙うなら、数Ⅰや数Aなどの数学を十分に理解しましょう。

試作問題の第4問では、散布図や回帰直線など、数Ⅰの知識が必要となる問題でした。

また、様々な数を「0」または「1」で表す2進法は、数Aで学習する内容です。

試作問題では、計算力が必要な問題も出題されており、少ない制限時間内に解くには、スピードも必要です。そのため、情報に関する知識やスキルだけではなく、幅広い数学の知識や計算力を養いましょう。

試作問題で出題の傾向を掴もう

情報は、過去問題がないため、出題の傾向がわかりにくいといえます。そのため、まずは試作問題を解いて、次のような出題の傾向を掴んでおきましょう。

・どのような問題が出題されるのか
・どのような出題形式なのか
・問題を解く時間はどのくらいか
・今の学力で対応可能であるか

出題の傾向がわかると、学習の対策が取りやすくなります。

また、最近では情報についての問題集などが発売されるようになりました。それらを活用して、問題に慣れておくと、共通テストでも実力を発揮できるでしょう。

プログラミングの基本的な能力を身に着けよう

一番配点の高い「プログラミング」の基本的な能力を、しっかりと身につけましょう。

実際のテストでは、コーディングのスキルはいらないものの、基本的なプログラムを完成させる思考力が問われます。日頃からのプログラミングの練習や類似問題を解くことで、仕組みを根本から理解する必要があるのです。

具体的には、共通テストで使用されるオリジナル言語DNCLと似ている「Python」を利用した学習がおすすめです。

どうしてもプログラミング言語に馴染めない場合は、まずは「Scratch」などのビジュアル言語でプログラミングの基礎を身につけることをおすすめします。

苦手意識を払拭するために小中学生からプログラミング学習を実施しよう

高校で学習する「情報Ⅰ」は、共通テストの必須科目になったことで、今後さらに重要度が増す教科といえるでしょう。

プログラムは、数学的思考や独特なプログラム言語のスキルが必要で、習得には小学校・中学校を通じた基礎の積み上げが非常に大切な教科でもあります。

最近では、プログラミング教室やパソコン教室に小さいころから通うお子様も少なくありません。

そのため、一度もプログラミングに触れたことがないお子様との「ITスキル格差」は、小学生のころからすでに始まっているともいわれています。

しかし、特別に教室に通わなくても、情報のスキルを身につけることは可能です。

苦手意識を持たせないためにも、小学生、中学生のうちからトレーニングを実施しておきましょう。

【小学生】遊びでプログラミングを学習しよう

小学生では、楽しみながら遊び感覚でプログラミングを学習しましょう。

まずは、簡単にプログラミングの概念が身につく「ビジュアル言語」ツールがおすすめです。
ビジュアル言語は、小学生には難しいプログラミング用語を「ブロック」で表現し、直感的にプログラミングを組むことができます。

中でも「Scratch」は無料でダウンロードでき、プログラミング学習の第一歩として、高校でも採用している学校があります。

遊びながらプログラミングの基礎が学べるので、中学や高校で難しい内容になっても、苦手意識がなくなるでしょう。

また、各地で開催されているゲームやロボットプログラミングなどのワークショップに、親子で参加することも、プログラミングを好きになるきっかけになります。

出典:Scratch

Scratchについて興味のある方は、こちらの記事も参考にしてください。
スクラッチはプログラミング学習に最適!スクラッチが人気の理由と効果を解説

【中学生】教科書を読み込み、数学力を身に着けよう

高校で学ぶ「情報Ⅰ」は、中学校の技術・家庭科(技術分野)「D情報の技術」の学習を踏まえた内容になっています。

しかし、中学校での「情報」は、あくまで「技術・家庭科」の一環として行われるため、授業数が少ないことが問題です。また、専門的な知識のない先生が指導を行うこともあり、理解が浅くなる可能性も指摘されています。

とはいえ、教科書を読み込んでおくだけでも、高校の情報Ⅰへの準備となります。

また、情報Ⅰは、変数や定数、演算、代入、関数等の数学が必要となります。これらは中学の数学が土台となるので、数学についてもしっかりと身につけておきましょう。

大学入試対策に役立つ!「プログラミング能力検定」がおすすめ

プログラミング能力検定は、共通テスト「情報Ⅰ」の内容をカバーしており、プログラミングに関する幅広い基礎知識を、レベル別に受験することが可能なので、自分の学習内容に沿って力試しができるでしょう。

その他にも、プログラミング能力検定をおすすめする理由をご紹介します。

プログラミング能力検定は共通テスト「情報」対策になる

プログラミング能力検定の勉強をすることが、共通テストの受験対策になります。

プログラミング能力検定で出題される問題は、共通テストの「情報」に関する出題範囲をカバーしているからです。

順次処理・条件分岐・繰り返し・変数など、プログラミング概念の理解度を体系的に受験することで、無理なく情報の知識を身につけることができるでしょう。

実力が見える化されるので、自分の課題がわかりやすい

プログラミング能力検定の成績表は、スキルを細かく評価しているので、自分の課題が詳細にわかります。

出典:プログラミング能力検定

自己採点では分からない自分の弱点や強みが視覚的に分かりやすく、苦手分野の克服対策に活用することができます。

共通テスト対策として、非常に優れた指針となるでしょう。

スキルに応じて6つのレベルで挑戦できる

プログラミング能力検定は、6つのレベルがあり自分のスキルに応じて挑戦することができます。

出典:レベル別の出題範囲と合格ライン

共通テストの情報は、プログラミング能力検定の「レベル5」に該当します。

「レベル1」から順番に、小学生から受験すれば、無理なく情報の知識を身につけることが可能です。

ビジュアル言語にも対応しているので、プログラミングに対する苦手意識が起きにくく、遊び感覚で習得することができるでしょう。

まとめ

2025年から始まる、共通テスト「情報」についてお伝えしてまいりました。

「情報」の試験内容や、受験対策に何をするべきかおわかりになったと思います。

ここで、この記事の内容を簡単に振り返ってみましょう。

◯【2025年】共通テストの新教科「情報」で押さえる基礎知識6つ

・出題範囲は高校1年生で学ぶ「情報Ⅰ」のみ
・国立大学では原則必須
・公立大学や私立大学では一部の大学のみ実施
・配点は100点・試験時間は60分
・既卒生は「旧情報(仮)」を選択可能
・プログラミング言語はセンター試験用オリジナル言語DNCL

(1)情報社会の問題解決基本的に知識問題
(2)コミュニケーションと情報デザイン基本的に知識問題
(3)コンピュータとプログラミングプログラミングスキルを問う問題
(4)情報通信ネットワークとデータの活用知識問題と思考力が問われる問題

◯共通テストでの試験内容は大きく分けて4つ

◯試作問題の試験内容と配点・難易度・教科書への対応

試験内容 配点 難易度 教科書
範囲※
第1問
20点
問1 ネット利用時のモラルや注意点
問題解決への判断
4 (1)
問2 情報通信データの誤り訂正の仕組み
パリティビット、素数変換の理解
6 (4)
問3 論理回路の理解
演算処理と真理値表の考察
6 (3)
問4 情報の整理 4 (2)
第2問
30点
A 二次元コードについての理解
知的財産権(特許権)
15 (1)
(2)
B 確率モデルのシミュレーション 15 (3)
第3問
25点
基本的なプログラミング
アルゴリズムについての考察
作成した関数の理解
25 (3)
第4問
25点
データの活用に関する基礎知識
箱ひげ図や散布図、回帰直線、残差
25 (4)

※各範囲は高等学校学習指導要要領 情報Ⅰで学習する4つの領域を指す

◯情報で高得点を狙うための対策は3つ

・数Ⅰ・数Aを十分に理解しよう
・試作問題で出題の傾向を掴もう
・プログラミングの基本的な能力を身につけよう

この記事を読んで、共通テスト「情報」への対策を十分に行い、自信を持って試験に臨める手助けになれば幸いです。

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