インタビュー

プログラミング未経験者が就職や転職にプログラミング技術を生かすには【プログラマカレッジインタビュー】

公開日:2024.04.19/更新日:2024.04.19

目次

20代向け就職直結型ITエンジニアスクールとして、完全未経験者のプログラマー転職をゼロからの学習及び就職サポートを通じて支援してきた「プログラマカレッジ」に、現在のプログラマーの就活状況や、未経験からプログラミングを学び就職に繋げるために重要なことについてインタビューしました。


現在もプログラマーの採用ニーズは強いですか?それともAIの台頭などで弱まっている印象はありますか?

経験者のプログラマーの採用ニーズは堅調です。特に20代後半~30代前半の層に対する採用ニーズが強いです。この層はリーマンショック~東日本大震災の影響が色濃く残っていた時代に就職活動を行った層に相当し、この時代にプログラマーとして就職し、なおかつ10年以上キャリアを安定的に積んできた方が意外と少ないという印象があります。

よって企業側にとっては「ミドルクラス」のエンジニアが足りない状況です。

もっともプログラマーのキャリアパスの多様化が進んでいるのも事実で、フリーランスとして独立する方が増えています。企業側も正社員ではなく3か月単位などのスポットに近い形でエンジニアをフリーランスとして採用するケースも増えています。

この場合は「ミドルクラス」に限らず、もう少し上の年代の方も、下の年代の方も案件が決まっていますね。

たとえば弊社がプログラマカレッジとは別に、フリーランスエンジニア向けに運営している「プロエンジニア」では、実際に20代から上は60代まで、様々なエンジニアの方にご応募いただいていますし、企業側とのマッチングも成立しています。

ReactやTypeScriptといったモダンな技術や、Pythonなど需要が大きな言語を扱える方であればフリーランスで年収1000万を越える方も多いです。

なおAIの台頭は「話題」にはなっていますが、採用ニーズを左右するレベルではないという感触です。現場ではコードだけがあってもあまり意味がなく、やはり「設計」が重要です。その設計を行うのはやはり人間です。

プロエンジニアでは常時8000件の保有案件がありますが、AIの台頭後も大きな求人の減少は見受けられないですね。

それではプログラミング未経験者(プログラミングの実践経験がない人)に対する採用ニーズはいかがでしょうか。また未経験者でも採用される人はどのような人でしょうか?

経済産業省が2019年に発表した「2030年には最大でIT人材が79万人」不足するという予測シナリオ*がありますが、2024年時点でも、多くのIT企業がエンジニア採用に苦戦しているのは間違いありません。

厳密に言えば「1名当たりの正社員エンジニアの採用コストが高騰傾向にある」し「知名度のないスタートアップなどでは、そもそも応募自体が来ない」という形です。それだけ経験者の方は引く手あまたなんですね。

そのため「入社時点ではプログラミング未経験であっても、研修の実施などを前提に採用する」という企業は一定数あります。弊社が運営する無料プログラミングスクール「プログラマカレッジ」の場合、お取引企業の数は960社ほどに及びます。

未経験でも採用される方は、一言で言えば「素直」で「コミュニケーション能力が高い方」が多いです。

逆に言えば、せっかく学習していても学習意欲も就職・転職への意欲も弱かったり「なぜプログラマーになりたいのか」という意思を自分の言葉でしっかり語れない方はやや未経験からの就職では苦戦することがあります。

*参考:https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/houkokusyo.pdf

プログラミング未経験者はどのようなステップで勉強をしていけばよいでしょうか?

プログラマカレッジインタビュー写真

まずはHTMLやCSSといった、記述したコードが直接画面に反映されるというわかりやすいプログラム言語から勉強しはじめるのがおすすめです。そこから徐々にJavaやPHP、Rubyなどの内部処理を行うプログラム言語を勉強していくという順番ですね。

例えばECサイトを思い浮かべて頂くと、私たちが操作する部分、つまりユーザに見えるところはHTMLやCSSによって作られています。

そこからログインをしたり、商品を選んでカートに入れたり、決済を行ったりする部分は、内部ではどのような処理が行われているかわからないと思いますが、この部分のプログラミングは先ほどのJavaやPHP、Rubyなどで記述されていることが多いです。

もちろん画面を作ることよりも、内部処理のプログラムを書くことの方が難易度は高いため、いきなり難しいところから入るよりも、わかりやすいところから勉強をした方がモチベーションも維持しやすいと思います。

プログラマカレッジでも、メインで勉強頂くプログラム言語はJavaですが、最初はHTML,CSSから勉強をスタートしていきます。

プログラミング未経験者がプログラミング学習を続けるコツがあれば教えてください

「質問できる相手がそばにいるかどうか」は本当に重要です。

プログラマカレッジの場合、実はオンラインのプログラミング学習サイトなどで独学を行わず、完全未経験からいきなり入学される方も多いんです。

「プログラマーになりたいけれど、何から始めたらいいか分からない」「あまりにもITの知識がなく、何が分からないかも分からない」という方の場合、自力での情報収集や独学にはその時点ではまだ限界があるのだと思います。

この記事をお読みの方は「あまりにもITの知識がなく、何が分からないかも分からない」人って、プログラミング学習をしても伸びないのでは?と思うかもしれませんね。

実は全くそんなことは無いんです。

「プログラマーになりたいけれど、何から始めたらいいか分からない」段階でスクールの説明会に行き、入校しているので、こうした方はとてもアクティブです。そして講師のアドバイスを素直に受け入れ、分からないことは10分に1回レベルで質問をし続けてくれます。

難しい内容に当たったときは、素直に「何が分からないかも分からないので、もう一度説明してください」と言ってくださる受講生の方もいます。これはとても良い質問なんですよ。

スクールに限らず、分からないことを質問できる相手が身近に一人でもいるかどうかは本当に大切です。

どうしてもそういう相手が近くに見つからない場合は、スクールに通った方が学習が捗ることも多いと思います。

プログラミング学習の過程において「資格」の存在はどのようなものでしょうか?

「実力の証明」だと思います。

プログラミングスクールに通い、何らかの形で「実力を証明する」というと「ポートフォリオ作りが大事」というイメージが強いですよね。

ですが実はプログラマカレッジでは、ポートフォリオの制作は特に推奨していません。もちろん受講生の方が、完全オリジナルのものを自主的に作るのは歓迎していますが、カリキュラムや就職活動サポートの一環としてポートフォリオに取り組むことはしていないんです。

例えばカリキュラムに載っているコードをほんの少しアレンジしただけか、あるいは「そのまま使っている」ポートフォリオでは、そのコードを本当に自分で書いたのか分からないですし、採用の判断材料にもならないです。

その点、資格は「間違いなくその人が受験し、合格した」証です。ポートフォリオよりも採用側からすれば信頼性が高いと思います。

とはいえ受講生の方にとっては「資格を取った方が良い」とは思っても、いきなり国家資格を受験するのはハードルが高いですよね。

だからプログラマカレッジでは、受講生の方のベンダー資格受験を積極的に支援しています。未経験からでも受験のハードルが比較的低く、間違いなく自分の実力を証明できる民間資格というのは貴重な存在だと思います。

プロ検でもプログラミングの実践経験がない方に受験をしていただいたり、個別に「この資格を取るとプログラマーになれますか」といった質問をされることがあります。プログラミング学習に興味があっても、それがキャリアに繋がらないなら意味がないと考えている若い方も多いと思うのですが就職・転職サポートをしている立場としてはいかがですか?

いまは転職が当たり前の時代ですし、学生時代の専攻などにとらわれずリスキリングをするのも当たり前の時代です。

「プログラミング学習に興味があっても、それがキャリアに繋がらないなら意味がない」と考えるのではなく、少しでも興味を持ったことには果敢にトライしてみようと考えてみてはどうでしょうか。

プログラミングに限ったことではなく、どんな分野であろうと本気で学んだことは必ずキャリアに活きるはずです。

たとえばプログラマカレッジでも国内屈指の大学を中退したり、卒業した後すぐに会社を辞めて、フリーターになってしまったという方を大勢見てきました。そうした方が何人もプログラミングを学び、キャリアを立て直しています。

ではこの方たちにとって、大学時代の専攻などはムダだったのでしょうか。そうではなく大学時代などに身につけた知識とITの知識が両方あるからこそ、魅力的な人材に映り、就職先が決定したのだと思います。

就職・転職サポートをしている立場として、未経験の方が資格を取る価値は何だと思いますか?逆に資格だけだと足りない部分は何でしょうか?

価値は先ほどもお答えしたように「実力の証明」で、未経験の方の場合ならば、資格はポートフォリオ以上に信頼性が高いと思います。

資格だけだと足りない部分は、まずは「チーム開発を前提としたコーディングスキル」です。

変数名等の命名規則などを分かりやすく管理し、読みやすいコードを書く能力は、一人で資格などを学んでいる段階ではあまり意識しないものだと思います。それらは完全未経験の場合、スクールに通って模擬的にチーム開発を体験したり、講師からコードレビューを貰う中で段々身につくものではないでしょうか。

またコミュニケーション能力も重要です。

未経験の方が就職・転職する場合、企業側にとってはポテンシャル採用です。面接での話し方や立ち振る舞いなどは、プログラマカレッジでも重視しています。

それでは資格を取った後には具体的にどのようなアクションが就職・転職に繋がるでしょうか?

資格は実力の証明にはなりますが、資格を取ることそのものが「未経験採用を重視している企業との繋がり」などを生むわけではありません。

またプログラミングの関連資格は、あくまで「その人個人のコーディングスキル」などを示すものなので、資格を保有していることが「チーム開発を円滑にできる人材であるか」の証明にはなりづらいです。

そのためスクールに通わない前提であれば、IT勉強会に足を運んで、様々な企業のプログラマーや人事と繋がりを作ってみるのが一案です。

自分とレベル感の近いプログラマーの方と出会った場合は、何か一つ、共同でアプリを作ってみるのも良いですね。

そうした行動にハードルの高さを感じるのであれば、スクールに通ってさらにスキルを磨きつつ、就職・転職を目指すのが良いでしょう。

プログラミングを学習した先にプログラマー以外のキャリアはありますか?

プログラマーを現場でコーディングする「下流工程の職種」とした場合、そのシステムの設計を行う「上流工程」はエンジニアの役割です。

つまりプログラマーのキャリアパスとしては、まずはエンジニアを目指すケースが多いです。そしてエンジニアがさらに上を目指す際のキャリアパスとしては、ITストラテジストなど戦略方面を目指す場合と、スペシャリストを目指す場合があります。

こうしたキャリアパス「以外」で言えば、「プログラミングもできる営業担当者」「プログラミングもできるマーケター」といった形でプログラミングスキルを付加価値とした別職種を目指す場合もあるでしょう。

たとえば営業職で重用されている世界的に有名なアプリケーションに「セールスフォース」というものがあります。このセールスフォースには「Apex」というプログラミング言語があり、この言語を扱うことで、セールスフォース上のデータベースなどをより高度に扱った各種開発や分析ができるようになります。

このように「プログラミングもできる営業担当者」は貴重です。

ですが、この場合「営業担当者としてのスキルや実務経験そのもの」も重要です。「プログラマーとしても営業担当者としても実務経験がない」場合、こうした二足の草鞋をいきなり履くのは難しい部分もあります。こうしたキャリアを目指したい場合、まずは「プログラマーとしてキャリアを積みつつ、ビジネスサイドでの経験を積むチャンスを社内で随時探る」のが現実的でしょう。

ずばり就職・転職に成功している人はどのような人でしょうか?

大きく2つあると思います。

1つめは真面目にコツコツと継続的に取り組むことができる人です。

プログラミングは専門的な技術であるため、そう簡単に身につくものではありません。

しかし、ネット上では「プログラミングなんて簡単」「アプリなんて誰にでも作れる」といった記事や動画などが散見されます。

「簡単ならやってみようかな?」と思い始めたところ、意外に難しくて挫折をしてしまう人も珍しくありません。

技術を身に着けるには、それなりの時間を確保しなければいけないですし、1ヵ月間だけ頑張ったらすぐに習得できるようなものでもありません。

1日5分でも10分でも、継続的に勉強に取り組める人は理解が徐々に深まっていってるのがわかりますし、その勉強に対する姿勢がそもそも就職・転職の時に評価されやすいです。

そして2つめは、ポジティブ思考で企業のいいところを見て比較検討できる人です。

成功している人は、企業のいいところを見て比較検討しています。A社ならキャリアアップがすごく早そうだけど、B社だとじっくり経験を積むことができそうといった具合です。

しかしそうでない人の場合、企業の嫌なところを見て比較しています。

A社は残業が多く、B社だと給料が低いなどですね。

これは非常に大きな違いとして結果に表われていると感じています。

やはりポジティブに企業を見ている人は、面接の時にも発言がそのままポジティブなので、企業からの印象もいいですね。

この2つはこれからプログラマーを目指す人には事実として知っておいて頂きたいなと思います。

プログラミング学習を始めたら、プロ検(プログラミング能力検定)にチャレンジしてみよう

プログラミング能力検定(プロ検)

「プロ検(プログラミング能力検定)」はプログラミングの基礎となる知識を測るための試験です。
順次処理、条件分岐、繰り返し、変数など、プログラミングの概念の理解度を体系的に分析・評価することで、プログラミング能力を詳細に測り、それまでの学習成果を証明すると共にその後の効果的な学習に繋げることができます。

レベル別になっているため、プログラミング学習を始めたら、是非力試しでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。


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