「キーボードの入力が遅くて作業に時間がかかる」
「初心者でも上達できる練習方法を知りたい」
本記事では、初心者向けにキーボードの練習方法やタイピングが上達するコツをわかりやすく解説します。
最後まで読むと、効率のよい練習方法やつまずきやすい言葉の対処方法まで理解できます。今日からタイピングを改善したい学生・社会人の方はぜひ参考にしてみてください。
【記事のポイント】
- キーボードの練習方法
- タイピングが上達するためのコツ
- つまずきやすい言葉の対処方法
- おすすめの練習教材
【初心者向け】キーボードの練習方法
初心者がキーボード練習を始める場合は、基礎をしっかり身につける必要があります。
具体的な練習ステップは次のとおりです。
- ホームポジションを覚える
- 母音（あいうえお）を練習する
- 子音（か行〜わ行）を練習する
タイピングは一度で習得できるスキルではないため、繰り返し練習していきましょう。
1.ホームポジションを覚える
キーボード練習の第一歩は、ホームポジションを覚えることです。
ホームポジションとは「指の定位置」のことで、キーを入力したあとに必ず戻ってくる場所です。
ホームポジションを基準にすると手元を見なくても指の位置を確認でき、スムーズな入力ができるようになります。
指の置き方は以下のとおりです。
- 左手の人差し指を「F」、右手の人差し指を「J」に置く（小さな突起が目印）
- 左手は「A（小指）」「S（薬指）」「D（中指）」に置く
- 右手は「K（中指）」「L（薬指）」「；（小指）」に置く
- 親指は左右どちらもスペースキーの上に軽く添える
ホームポジションはタイピングの土台となるため、キーボードを見なくても自然に指が置けるように、繰り返し練習しましょう。
2.母音（あいうえお）を練習する
ホームポジションを覚えたら、母音（あいうえお）の指使いを練習しましょう。
ローマ字入力は「か（k+a）」のように子音と母音で構成されることが多いため、母音がスムーズに打てると他の行にも応用できます。
母音に対応する指の配置は以下のとおりです。
- あ（A）：左手小指
- い（I）：右手中指
- う（U）：右手人差し指
- え（E）：左手中指
- お（O）：右手薬指
手元を見ずに自然と打てるようになるまで反復練習することが大切です。
母音が安定して打てるかどうかで、今後の練習の上達速度も変わっていきます。
3.子音（か行〜わ行）を練習する
母音がスムーズに打てるようになったら、か行〜わ行までの50音すべてを入力する練習に進みます。
子音の入力は、指を上下左右に動かす必要があるため、母音よりも正確な操作が求められるステップです。
か行やさ行などの子音はホームポジションに配置されているキーのため、50音順に練習すると覚えやすく、指の動きも安定していきます。
子音まで打てるようになると、基本的なローマ字入力はほぼ完了です。
基礎が身についたあとは、濁音（が・ぎ）や小文字（ゃ・ゅ・ょ）といった少し複雑な入力にも挑戦していくと、より実践的なタイピング力が身につきます。
キーボード練習でタイピングが上達するためのコツ3選
キーボード練習でタイピングが上達するコツを3つ紹介します。
- 速さよりも正確性を重視する
- 視線をキーボードに落とさない
- 成長が見える「指標」を活用する
コツを押さえて意識的に取り組むと成長も早くなります。参考にしてみてください。
1.速さよりも正確性を重視する
キーボード練習を始める場合、入力スピードよりも正確性を重視することが重要です。
初心者のうちから速さにこだわってしまうと、入力フォームが乱れたり、ミスが増えたりする原因になります。
文字を何度も削除して打ちなおすより、一度で正確に入力できるほうが結果的に作業時間の短縮につながります。
そのため、最初は「ゆっくりでも正確に打つ」ことを意識して練習するのがポイントです。
正しいフォームで反復練習を続けていけば、指の動きが安定し、スピードも自然と向上していきます。
2.視線をキーボードに落とさない
キーボード練習をする際は、できるだけ手元を見ずに画面だけを見るようにしましょう。
キーボードに視線を落とすと、画面と手元を行き来することになり、入力スピードの低下だけでなく眼精疲労の原因にもなります。
タイピングはスポーツと同じで、何度も練習して指の動きを体に覚えさせるスキルです。
「P」や「-（ハイフン）」などホームポジションから離れたキーは、不安で手元を見たくなりますが、目線を画面に固定することを意識しましょう。
最初はミスが増えても問題ありません。視覚に頼らず練習することで、指先の感覚が鍛えられ、少しずつ正確に入力できるようになります。
3.成長が見える「指標」を活用する
キーボード練習を継続するためには、成長が見える「指標」を活用するのがおすすめです。
成長が実感できるとモチベーションが維持しやすくなり、「もっと練習してみよう」という前向きな気持ちが生まれます。
キーボード練習で活用できる主な指標は次の2つです。
- 入力速度（1分間に入力できる単語数）
- 正答率（ミスの少なさを数値化したもの）
最初は正答率を重視し、簡単な単語をゆっくりでもミスなく入力できる状態を目指しましょう。
正確性が安定してくると、自然と入力速度も上がっていきます。
キーボード練習でつまずきやすい言葉と対処方法
ローマ字入力には「子音 + 母音」だけではなく、初心者がつまずきやすい特殊な入力が存在します。
とくに注意すべきポイントは以下の3つです。
- 拗音は短い単語で繰り返して覚える
- 促音は次の子音を2回入力する
- 数字・記号の入力後はホームポジションに必ず戻る
特殊な入力は日常的に使う頻度も高く、慣れないうちはミスが出やすい部分です。
苦手意識をもちやすいポイントは、短い単語や簡単な文章で反復練習し、確実に身につけるようにしましょう。
拗音は短い単語で繰り返して覚える
拗音（きゃ・しゃなど）は、短い単語で繰り返し練習して覚えるようにしましょう。
拗音は「子音 + y（またはh）+ 母音」という3文字の組み合わせになるため、慣れるまではミスが出やすい入力です。
以下のように、拗音が2つ入った単語は連続して練習でき、リズムよく入力のパターンを覚えられます。
- 給食 → kyuushoku
- 教科書 → kyoukasho
- 朝食 → choushoku
使用頻度の高い拗音を含む単語を集中的に練習すると、パターンが身につきやすくなります。
自分が苦手だと感じる拗音があれば、集中して練習する時間を設けましょう。
促音は次の子音を2回入力する
促音（っ）は、次の子音を2回入力することで表現します。
「っ」自体は「xtu」や「ltu」でも入力できますが、実際の文章では子音を重ねる形で使うケースがほとんどです。
初心者の場合、「子音を2回押す」という感覚がつかみにくく、入力を抜かしてしまったり、1回だけ押して誤入力になってしまったりすることがよくあります。
練習のコツとしては、以下のように同じリズムで入力する単語を繰り返し打つことです。
- かった → katta
- きった → kitta
- もっと → motto
最初はゆっくりで構わないので、子音を2回押す感覚を指に覚えさせることが大切です。
リズムよく打てるようになると、促音を含む文章もスムーズに入力できるようになります。
数字・記号の入力後はホームポジションに戻る
数字・記号の入力後は、必ずホームポジションに戻ることを意識しましょう。
数字や記号はホームポジションから大きく指を動かして入力するため、慣れないうちはミスが出やすい部分です。
入力したあとにホームポジションに戻らないまま、次のキーを誤って押してしまうケースも珍しくありません。
とくに、次の小指を使うキーは慣れるまで時間がかかります。
- 数字（0）
- 記号（@ / -など）
- Shiftキーを使った記号（!、#など）
小指が担当するキーは、ホームポジションからの移動範囲が広く、位置がズレやすいです。
最初はゆっくりで構わないので、「数字を打つ → FとJに戻る」を繰り返し、自然と手が定位置に戻るよう練習しましょう。
キーボードを練習するメリット
キーボードを練習するメリットは以下の3つです。
- 作業効率が向上する
- 視線を固定化でき、集中力が続きやすい
- 首や肩の負担を軽減できる
それぞれ詳しく解説します。
作業効率が向上する
キーボード練習を続けていけば、文章作成や資料作りなど、作業全体の効率が向上します。
タイピングのミスが減れば、打ち直しの時間も少なくなり、スムーズに入力できるためです。
たとえば、議事録の作成に30分かかっていた人が、リアルタイムでまとめられるようになると、浮いた時間を他のタスクに充てられます。
「仕事が遅い」「入力作業に時間がかかる」と感じている人ほど、キーボード練習の効果を実感しやすくなるでしょう。
入力操作が安定すれば作業の流れが途切れなくなり、生産性の向上につながります。
視線を固定化でき、集中力が続きやすい
キーボードを練習していくと、画面に視線を固定したまま入力できるようになり、集中力が続きやすくなるのもメリットです。
手元を見ながらタイピングする場合、キー入力に集中してしまい、考えることに100％のリソースを使えなりがちです。
視線を固定したまま入力できるようになると、「何を書くか」という内容に集中でき、文章の質も高くなります。
文章の構成やアイデアを考えることに集中できるため、結果として作業全体のクオリティも向上します。
首や肩の負担を軽減できる
キーボードを正しいフォームで練習していくと、首や肩の負担を軽減できるというメリットもあります。
手元を見ながらタイピングをしていると、頭が自然と下がり、首や肩に余計な力が入りやすくなります。
姿勢が悪いままだと猫背や肩こりにつながり、長時間の作業がつらくなる原因にもなりかねません。
正しいフォームを身につけることで、身体的な疲労を軽減し、快適に作業を行えるようになります。
キーボード練習を行う際の注意点
キーボード練習を効率的に行うためにも、以下の注意点を押さえておきましょう。
- 適度に休憩やストレッチの時間をとる
- 誤ったクセを放置しない
- 姿勢を崩さない
適度に休憩やストレッチの時間をとる
キーボード練習を行う際は長時間続けず、適度に休憩やストレッチの時間をとるようにしましょう。
「早く上達したい」と焦って疲れた状態で練習を続けても、雑な指使いが身についてしまう恐れがあります。
また、指を酷使し続けると腱鞘炎のリスクを高めるため、負担を溜めないことが大切です。
目安としては、30分練習したら5〜10分休憩するペースがおすすめです。休憩中は、以下のような簡単なストレッチで体をリセットしましょう。
- 首を左右に倒して伸ばす
- 肩をゆっくり回す
- 身体を大きく伸ばす
- 指を1本ずつ反らしてほぐす
- 遠くの景色を見て目を休ませる
キーボード練習は頭や指を集中的に使う作業です。こまめに休憩を入れることで疲労を防ぎ、効率よく上達できます。
誤ったクセを放置しない
キーボード練習では、誤ったクセをそのままにしてしまうと修正が難しくなり、上達の妨げになってしまいます。
初心者のうちは、入力しやすい指だけで打ってしまったり、ホームポジションに戻らなかったりと、自己流のクセがつきやすいものです。
たとえば、次のようなクセがついていないか確認してみましょう。
- ホームポジションに戻らず、次の文字を入力してしまう
- 苦手なキーだけ手元を見て探してしまう
- 急いで入力すると慣れた指ばかりで入力してしまう
クセが定着すると、入力スピードが伸びないだけでなく、誤入力の原因にもなります。
とくにタイピングの最初の段階は、フォームを固める大事な時期です。
少しでも「変だな」「やりにくい」と感じたら、正しい指使いを再確認するようにしましょう。
姿勢を崩さない
キーボード練習を行う際は、姿勢を崩さずに入力することが大切です。
背中が丸まったままだったり、顔が画面に近づきすぎていたりすると、首や肩に余計な負担がかかり、疲労が早く溜まってしまいます。
正しい姿勢で練習するためには、以下のポイントが重要です。（参照：厚生労働省）
- 椅子に深く座り、背筋を軽く伸ばす
- 肘は90度以上にゆるく開き、手首は曲げず机と平行にする
- 画面は目から40cm以上離し、上端は目の高さまでに調整する
- 足裏が床につく高さに椅子を調整する
姿勢が整うとタイピング中の体のブレが減り、入力精度も安定します。
長時間作業しても疲れにくい姿勢をつくるためにも、練習時に意識して取り組みましょう。
小学生でも続けやすいキーボード練習のポイント
小学生がキーボード練習を続けるためには、最初に「楽しい」と感じられる工夫が必要です。
勉強として取り組むよりも、ゲーム感覚でチャレンジできる環境のほうが長続きします。
小学生でも練習を続けやすいポイントは次の3つです。
- 毎日10分だけでも続ける
- 成果を記録して見える化する
- 小さな成長を見つけて褒める
短時間でも継続し、達成感を得られると「続けたい」という気持ちが芽生えやすくなります。
また、保護者の方が成長を見つけて褒めてあげることで、モチベーションを高めることも大切です。
小学生向けの具体的な練習方法やおすすめ教材については、以下の記事で詳しく解説しています。
子どもにタイピング練習をさせたいと考えている保護者や教員の方は、ぜひ参考にしてみてください。
【学年別】小学生のタイピング練習ロードマップ｜飽きない工夫も紹介
キーボード練習するなら「プロ検のタイピングチャレンジ」
出典：タイピングチャレンジ
キーボード練習を効率よく進めたい場合は、上達度がわかりやすく、継続しやすい練習環境を選ぶことが大切です。
プログラミング能力検定が提供する「タイピングチャレンジ」は、レベル別の練習メニューや記録機能が充実しています。
初心者でも段階的にスキルアップしやすい仕組みになっているため、一度活用してみることをおすすめします。
自分に合うレベルで練習できる
タイピングチャレンジでは、自分に合うレベルから練習できるため、難しすぎて挫折したり、簡単すぎて飽きたりする心配がありません。
以下の表は、レベルごとのクリア基準になります。
| レベル | 文字数 | 正確率 |
| レベル1 | 8文字/分 | 90% |
| レベル2 | 15文字/分 | 90% |
| レベル3 | 25文字/分 | 90% |
| レベル4 | 40文字/分 | 95% |
| レベル5 | 60文字/分 | 97% |
| レベル6 | 100文字/分 | 99% |
| レベル7 | 200文字/分 | 99.5% |
レベルが上がるごとに、求められるタイピングの精度やスピードが明確に変わるため、「次はレベル5を目指そう」と具体的な目標をもって取り組めます。
また、1回の練習時間は1〜2分と短いため、ムリなく続けられるのもポイントです。
隙間時間で取り組めるので、毎日少しずつ練習を行いましょう。
チャレンジレポートで上達を実感できる
タイピングチャレンジには、練習結果を記録できる「チャレンジレポート」機能があります。
出典：タイピングチャレンジ
各レベルのスコアや入力速度などが自動で保存されるため、過去の結果と比較しながら成長を実感できます。
チャレンジレポートで確認できる内容は以下のとおりです。
- 1分間あたりの文字数
- 正確率
- ミスタイプ数
- 連続ミス数
- 押し間違えたキーの種類
苦手なキーも把握できるため、「どこを重点的に練習すべきか」が明確になるのも大きなメリットです。
レポートはXでシェアすることもできるため、モチベーション維持にも役立ちます。
まとめ：キーボード練習は継続できれば上達できる
キーボード練習は学生でも社会人でも、継続することで必ず上達できます。
一生役立つスキルであり、身につけておくことで日々の入力作業がスムーズになり、学習や仕事の効率も大きく向上します。
最後に、キーボード練習で大切なポイントをおさらいしておきましょう。
- 短時間でも毎日コツコツ続ける
- 姿勢やホームポジションを意識し、正確に入力する
- キーボードに視線を落とさない
まずは、プロ検の「タイピングチャレンジ」で少しずつ練習を始めてみましょう。
1分あたりの入力速度や正確率が自動で記録されるため、上達を実感しながら継続できます。